実績紹介

年間 10,000時間以上の作業をなくし
社員を輝かせた方法とは

弊社が生産性向上・業務改善にかかわった成功事例をご紹介します。ご覧になってくださった方の問題解決のために少しでもヒントになればと思います。

支援概要
  • 支援対象:精密板金加工企業の内、製造部門・関連部門 約50名 (全社は約100名)
  • 支援期間:3年
  • 支援目的:少量多品種の事業において生産を継続し利益を得ていくためには生産性の向上が不可欠となる。社員教育の意味も含め、生産性向上の活動を一緒に行っていくこととした。

支援の背景とアプローチ

組織変革のコンサルティング会社を導入されていて従業員様の主体性・ガッツも高いと感じる状況からスタートすることができました。業務改善としては毎月の活動で実践されていましたので、特に、数値化を進めること、問題を見つけ出すこと、体系的なプロジェクトとして進めることに注力しました。

管理職の方々に問題の見つけ方、整理の方法をお伝えし、ムダな作業の削減を全社的な活動として推進していただきました。以下が、数値として計測できた作業時間削減の一部となります。

具体的な改善事例

「端材」管理の見直し(年間 960時間 削減)

購入した板材から部品を切り出した残りとなる「端材」の管理に月に160時間かかっていることが分かった。端材の管理者、端材に部品を割り当てをする方、実際に切り抜く作業をする方、で適切な管理方法を決め、どれくらい使って破棄すると管理の手間と整合が取れるかも決めて運用した。端材を探す時間、部門間で調整をする時間、管理の時間など、年間960時間を削減した。

レイアウト変更(年間 195.6時間 削減)

現在受注している製品の加工に仕様が合わなくなった機械や、使わなくなった材料群など、邪魔になっているが成り行きで置きっぱなしになっていたものを整理し、レイアウト変更を行った。作業効率がよくなり年間 195.6時間の移動時間を削減した。

専用台車のルール化(年間 684時間 削減)

工程から工程へ部品を運搬する専用の台車を使用していたが、決められた保管場所に戻ることがなく、使用する人が広い工場の中を探し周り積み替えを頻繁に行っていた。専用台車をどこで使ったらどこへ戻すのかルールを明確にし、工場の全員がそのルールを守ることで、探し回り積み替えを行う時間 年間684時間を削減した。

夜間自動運転の障害除去(年間 420時間 + 960時間 削減)

自動運転ができる機械を使うと、一晩中材料にネジ穴を開ける加工ができる。ドリルのメーカーの情報では10,000回はネジ穴を開けられるはずであったが、毎晩、1,000~1,500回穴を開けた時点でドリルが折れてしまい、夜間の自動運転が進んでいなかった。さらに、ネジ穴を開ける作業がどこまで進んでいるか分からなかったり、手作業でネジ穴を開け直すなどの作業が必要であった。メーカーに聞いても理由が分からず、同業他社も慣例的にそのようなものということで解決策が分からなかった。仮説とテストを繰り返し、潤滑油が詰まって出ていないことを突き止め年間 420時間の修正作業を削減することができた。また、夜間に自動運転できるようになった時間は年間 960時間となる。

不良品(曲げ工程)の削減(年間 126時間 削減)

板材を曲げる工程では、図面の読み取りミス・勘違い・ノウハウ不足などで多くの不良品が発生していました。同じ内容を忘れてしまったり、または人の入れ替わりなどによって不良はなかなか減りませんでした。設計側で不良情報を蓄積・共有し、図面の中の注意をより分かりやすくする工夫を部署間で行い、年間 126時間 の不良品の作り直し時間を削減することができました。

塗装の不良対策(年間 264時間 削減)

塗装の不良にはさまざまなモードがあり、月に70件以上の不良品が発生し塗装のやり直しか初めから作り直しをしていました。不良が出るたびにレポートを書いたり注意喚起をしていましたが、全体として不良の数は減っていきませんでした。どのような不良が多いのか内訳を分析してみると一定の不良だけが突出して多いことが分かり、そこに集中して対策を打っていきました。月の不良は30件以下に減り年間 264時間の修正する時間を削減しました。

塗装乾燥の色差改善(年間 168時間 削減)

塗装の乾燥の際に、乾燥炉内の温度バラツキにより色差が生じていました。白の中でも青っぽい白や黄色っぽい白があり、厳しいお客様においてはそのバラツキが大きいとNGになっていました。NGとなると塗り直しか最初から作り直しになっていました。乾燥炉内の温度分布を測定したり、乾燥炉内の気流改善する工夫を行い、温度分布のバラツキ・色度のバラツキを一定の範囲に治めることができました。修正などにかかる時間を年間 168時間 削減することができました。

部品を探す時間の削減(年間 636時間 削減)

1日に300~400件の生産を行う場合、板材から部品を切り出した後、曲げ工程など次の工程の人が必要な部品を探すのが大変でした。分からなくなってしまうと1個探すのに30分以上かかり、多い時には1日に15件以上探し回る作業が発生していました。部署間で整理しやすい・探しやすい管理方法を取り決めることで探す時間が減り、月に53時間、年間 636時間を削減しました。

部品の欠け不良対策(年間 162時間 削減)

板材を凹ませたところにネジ穴を開ける加工がありますが、その一部が欠けてしまう不良が慢性的に発生していました。原因の調査と確認のテストをしつこく繰り返し、使用している金型が対象の金属専用のものでないこと、金型の下に金属クズが入り込んでいること、が分かりました。対策を行い同様の不良を0にすることができました。修正にかかる時間 月13.5時間、年間 162時間 を削減することができました。

3年間の活動成果

3年目の活動成果 全社で年間 10,000時間 のムダな作業を削減

業務改善は一度やれば終わりということではなく、やって初めて次の課題が見えてくることも多いです。この企業様では多くの部署で継続して業務改善に取り組んでいただいて、3年目もこれまで同様かより広い範囲で活動していただき、全社で年間 4,420時間 のムダな作業を削減していただきました。

これらの作業削減は一部は陳腐化していくものもあるかもしれませんし、そうでない部分は決めた作業内容・取り決めルールを守り続ける限りずっと効果が発生します。主体的に業務改善を行う社風を引き継いでいき、コツコツと改善を積み上げることで企業は成長し続けることができます。

数値化と継続の重要性

これらの作業時間削減の基礎は、まず数値化することにあります。簡単に見える作業であっても、1日にどれくらい、1ヵ月、1年間にどれくらい時間を使っているかを算出してみるとできるだけ早くその作業を削減したいと考えるものです。そして実際にやってみた改善がどれくらい効果があったのかをまた数値で評価することも重要です。数値を使った評価は従業員のモチベーションを上げるためにも重要な要素となります。

長期の支援を行っていると企業様の状況は大きく変化していきます。この企業様では中盤から出荷数が1.5倍ほどに増えるなどして生産がひっ迫しました。この状況では「忙しいので業務改善はできません」と活動が停止になってもおかしくないのですが、従業員様はなんとか時間を作って活動を続けてくださいました。生産が間に合わず職場のリーダー達は22時まで現場に入りものづくりをするような状況が続いていました。そんな中コツコツと作業を遅らせる原因を取り除いていき、特に終盤、生産計画の平準化が進み定着するようになると現場の中のムダが減り全体最適が進み、繁忙時と同じ生産高を上げながら多くの日は18時に帰れるようになりました。

支援の結果と従業員様の声

さまざまな都合により数値化できている部分とできていない分がありますが、従業員様たちの工夫と努力によりこの企業様は大きく生産性を向上することができました。また、この間、従業員様は主体的に取り組めたかどうかについては、以下の従業員様の声から推察していただけるかと思います。

  • 職場のみんなで一緒にやろうという雰囲気が作れた。やりがいの一つになった。
  • こうしないといけないという押し付けではなくて、生産の中に時間を取りながらできる範囲で取り組むことができた。
  • こういうことをやりたい、こうなりたい、と思うきっかけになった。
  • 現場の人から上司へ主体的に「こうやってみたい」という提案が上がるようになった。
  • 治工具の工夫により女性のパートさんでも作業ができるようになった。喜んでやってくれている。

実はこの企業様については、私は1年間の支援後に「十分自分たちでやっていけるので支援はもうよいのではないか」と声をかけたことがありました。従業員様からは「まだまだ教えてください」と返答があり3年間の支援となりました。皆様がこれからもやりがいがありよいものづくりをしていかれることを心から祈念しております。

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