工場のIoT事例集|IoT化導入で何がどう変わる?

工場のIoT事例集|IoT化導入で何がどう変わる?

「工場のIoT化ってどのように進めたら良いんだろう……」とお悩みではないでしょうか。

昨今では工場のIoT化が進んでいますが、実際にどのような施策をすれば良いのかわからない企業も多いです。

そこで本記事では、様々な工場IoT化の事例を紹介します。

時代に合わせてIoT導入を検討されている企業は、ぜひ参考にしてください。

工場のIoT事例集|IoT化導入で何がどう変わる?
目次

取り組みやすい工場IoT化の事例

取り組みやすい工場IoT化の事例

まずは取り組みやすい工場IoT化の事例を紹介します。

第一歩として取り組めるIoT事例なので、工場のIoTについてよくわからない人でも導入を検討できるでしょう。

以下で紹介するのは3つの施策です。

  • エネルギー使用量の見える化
  • 生産設備の故障監視
  • 生産設備の稼働監視

具体的にどのように導入していくのかについて、以下で解説します。

エネルギー使用量の見える化

GX(グリーン・トランスフォーメーション)が推進されている昨今では、エネルギーを抑えた施策も大切です。

そこで工場に導入されているのが「電力、ガス、水」などのエネルギー使用量の見える化です。

工場内では常に様々なエネルギーが使用されていますが、多くの場合はエネルギー使用総量しか把握できないままでした。そのために具体的な削減施策を立てられなかったのです。

これらそれぞれを見える化して「いつ、どこで、どのエネルギーが、どれだけ」使用されているかを見ることで、具体的な施策を検討できます。

生産設備の故障監視

工場の見える化を始めれば、生産設備の故障監視も可能になります。

これまでは設備管理者の見回りやパトランプの点灯による目視でおこなわれていたでしょう。

しかし、目視に頼る方法では管理者が発見するまでの時間ロスや見落としなどがありました。

IoT導入で工場を見える化すれば、確認・発見ロスがなくなります。

生産設備の稼働監視

IoT導入で見える化をすれば、生産設備の稼働監視も可能になります。

これまでも生産設備の稼働監視はおこなわれてきましたが、一元管理できなかった現状があります。なぜなら実際の工場の設備は複数メーカーの生産設備によって構成されているからです。

そのために生産設備メーカー毎に異なるツールを使用せざるを得ない現状がありました。

しかしIoTツールを導入すれば生産設備のメーカーに依存せずに稼働状況を一元管理できるようになります。

トッパン・フォームズのIoT化事例

トッパン・フォームズのIoT化事例

トッパン・フォームズは、データ、プリント、サービスに関連する処理・加工の業務をおこなっている会社です。

当社では3つのIoTを導入した事例があります。

  • 製造実績収集
  • 工程管理
  • ロケーション管理

それぞれどのような施策なのかを、以下で見ていきましょう。

製造実績収集

製造実績収集では、自動車部品メーカー製造ラインのIoT化を実施しました。

ICかんばんを導入して、以下の3つをおこなったのです。

  • データ取得
  • 蓄積の仕組み
  • 生産状況の可視化

さらに、収集したデータにより生産日報の作成も自動化しました。

工程管理

上記と同様に自動車部品メーカーの製造ラインでのIoT導入事例です。

工程管理にICかんばんを導入するにあたってキーボードエミュレーション対応RFIDリーダー・ライターを利用。

RFIDに置き換えることで、影響を最小限にして短納期・低価格でのかんばん読み取り率向上を実現しました。

ロケーション管理

トッパン・フォームズはIoT導入によってリードタイムの短縮も実現しています。

従来のバーコードではフロントガラス超しの読み取り制度が低かったからです。

そこでトッパン・フォームズはIC帳票、ICタグを利用して自動車メーカーの完成車のロケーション管理をおこないました。

また、車両上のIC帳票と保管ヤードの駐車枠に取り付けたRFIDタグの紐づけを行うことで、車両のロケーションを正確に把握することも実現しました。

武州工業株式会社のIoT化事例

武州工業株式会社のIoT化事例

武州工業株式会社は、パイプ加工の会社です。

自動車用の熱交換器パイプや板金部品の製造から始まり、現在ではパイプ加工の技術を活かした「玩具、遊具、インテリア、介護機器」などを製作しています。

取り組みも活発でLCC(ローコストカントリー)価格を実現するために、多能工化とIoTの活用を積極的に推進しています。

以下では武州工業株式会社のとくに注目される取り組みとして「生産性見え太君」の事例を紹介します。

​配線レス設備動作情報収集アプリ「生産性見え太君」の事例

武州工業株式会社がおこなったIoT「生産性見え太君」はスマホを工場内の設備に取り付けるだけで実績収集ができるツールです。

本ツールは武州工業株式会社が開発しました。

情報収集にあたってスマホを設備と配線する必要はありません。

取りつけるだけで「設備稼働状況、作業状況の可視化、遠隔監視」と幅広く利用できます。

「生産性見え太君」

企画・販売武州工業株式会社
システム提供株式会社クレアンスメアード
主な特徴・スマホで設備動作情報収集
・完全配線レス
・iOSとAndroidに対応
・アプリ利用無料
公式ホームページhttps://www.bimms-mieta.com/

三菱重工工作機械株式会社のIoT化事例

三菱重工工作機械株式会社のIoT化事例

三菱重工工作機械株式会社は、工作機械や切削工具などを手掛ける会社です。

2021年8月2日は「日本電産マシンツール」に社名変更されました。

現在は日本、米国、中国、インドに生産拠点を持ち、高精度・高効率な加工ができる「機械、レーザー、半導体製造装置」を展開。

歯車機械や門型マシニングセンタなどの大形工作機械は国内トップシェアを誇ります。

IoT導入事例としては製造ラインの監視・診断を実施する施策に取り組んでいます。

リモートで製造ラインの監視・故障予防診断

三菱重工工作機械株式会社(日本電産マシンツール)はIoTによる以下の仕組みを作り上げました。

  • リモートでの稼働監視
  • リモートでの故障予防診断

離れた地点から工場の稼働を監視できるため、目視の必要がありません。

設備の稼働停止時間の削減をおこない、生産改善へとつながります。

YKK AP株式会社のIoT化事例

YKK AP株式会社のIoT化事例

YKK AP株式会社は、世界11カ国に進出する窓メーカーです。

かつては「サッシのYKK」として知られていましたが、2005年からは「窓を作りたい」と宣言して事業を転換します。

同業界のなかではいち早く海外進出を果たしており、2022年度の売上は過去最高の5,086億円を記録。

同社はIoT技術で省エネを実現した事例があるので、以下で紹介します。

自然エネルギーを検知して有効利用

YKK AP株式会社の代表的な導入事例として、黒部荻生製造所を紹介します。

黒部荻生製造所は富山湾の近くにある工場です。

その富山湾から吹く風を検知して、夏季の空調に取り入れる仕組みを実現しました。

具体的には「風向・風速・温度・湿度」のセンシングし、快適性として可視化。

窓の開閉と空調設備の制御につなげました。

富士電機・大田原工場のIoT化事例

富士電機は、エネルギー関連事業を軸にグローバル展開する総合電機メーカーです。

主に重電製品を手掛けており「クリーンエネルギー・産業プラント・ドライブコントロール・パワー半導体」などの幅広い分野の製品を提供しています。

とくに太陽光発電システムを利用した地熱発電は世界シェアNo,1で、エネルギーの地産地消 に貢献しています。

以下では、富士電機太田原工場のなかでも特徴的なIoT導入事例を紹介します。

「見える化」で生産性向上

富士電機では、自社工場のIoT化を通じた生産性向上の取り組みが実施されています。

しかし受配電機器の生産をおこなっている栃木県の大田原工場では、機器やシステムの導入をどのように清算性向上に紐づけるかが課題となっていました。

そこで実施したのが「ダッシュボード」の導入です。

生産ライン、工場全体の生産情報、工場の日々の経営情報まで、あらゆる情報を一元化。

品質・生産進捗・稼働率・エネルギーなどの「QCD」をリアルタイムで見える化することで、現場で発生した問題に対して、迅速に対策を実行できるようになりました。

課題把握と改善活動のサイクルを繰り返し、最終的に生産性の5%向上を達成できたのです。

製造業のIoT導入成功事例

富士電機・大田原工場のIoT化事例

工場のなかでもIoTを導入しやすいのが製造業です。

とくに人材不足が深刻化している昨今では、製造業のIoT化導入は必要不可欠です。

そこで製造業の導入成功事例として6つを紹介します。

  • 24時間365日稼働を実現
  • ミキサー車のIoT化
  • 生産設備の稼動状況の見える化
  • 夜間の稼働確認の負荷削減
  • 工場の情報をデジタル化
  • IoTで遠隔監視

24時間365日稼働を実現

本事例では、IoT導入によって少人数による24時間365日稼働を実現しました。

製造業によっては常時工場を稼働させなければならないケースがあります。

そこでプラスチック成形の業務をおこなっている会社が、プラスチック成形機のIoT化を実施したところ、稼働状況に関するデータを取得できるようになりました。

各成形機の様子をどこからでも確認可能となり、夜間や休日の人員が少ないときでもトラブル発生の確認と状況把握ができるようになりました。

ミキサー車のIoT化

ミキサー車のIoT化に成功した事例があります。

生コンクリートなどの原材料を販売している会社が、ミキサー車のドラムにIoTセンサーを取り付け。

これにより生コンクリートの品質変化データを、リアルタイムに取得し可視化できるようになりました。

建設現場に届けるまでの品質変化が手間をかけずに可視化できるようになり、熟練作業者の属人化も改善されました。

生産設備の稼動状況の見える化

自動車エンジン事業の会社は、生産設備に設置する信号灯にIoTセンサーを取り付けました。

センサーを取り付けることで「稼働中・停止中」の状況を取得してデータ化。

データは無線を通じて社内サーバに蓄積されるので、パソコンで可視化できます。

これにより生産管理者が現場の作業を詳細に把握できるようになり、工程の改善点を発見できるようになりました。

夜間の稼働確認の負荷削減

金属熱処理事業の会社は、新規導入の熱処理炉2基と既設炉3基をIoT化。

従来の設備では、夜間・休日に熱処理炉の稼働確認のために担当者が出向かなければいけなかったのです。

IoT化によってスマートフォンでリアルタイムに熱処理炉の稼働状況を監視できるようなったので、遠隔地からでも設備状況を確認できます。

さらに、熱処理の温度調整等の実績がデータとして蓄積されてノウハウ化が図られることにより、高度な熱処理の実現かも期待できるようになりました。

工場の情報をデジタル化

建設機械事業会社は、工作機械にセンサーを取り付けました。

センサーでは「温度・湿度・騒音レベル」などの環境情報を取得します。これらの情報を社内共有情報としてクラウドへアップロードする仕組みを構築。

仕組化によって、クリエイティブな作業時間を生み出すことに成功しました。経営者がルーチンワークを短時間で効率化させることにも成功しています。

IoTで遠隔監視

プリンター機器と専用インクの開発事業をおこなっている会社は、IT企業と連携してIoT化で遠隔監視する仕組みを開発しました。

従来はインク残量や稼働状況を確認するために、顧客先に出向かなければならないデメリットがあったからです。

利用状況を遠隔監視できる本ツールによって、顧客先に出向かずともきめ細やかなサポートができる体制になりました。

また、製品の故障原因の適切な検証が可能もなりました。

経済産業省による製造業DX取組事例データ

経済産業省による製造業DX取組事例データ

製造業によるDX取組事例については、経済産業省でもいくつかの資料が公開されています。

企業名事例名具体的な内容
株式会社今野製作所プロセス参照モデル自社の業務プロセスや、エンジニアリングプロセスにおける社内連携体制について可視化
沖電気工業株式会社バーチャル・ワンファクトリー2つの工場を仮想的に1つの工場に融合していく取り組み
富士通株式会社FTCP開発プロセス変革のためのプラットフォーム
オークマ株式会社IT Plazaナレッジマネジメントを1つの生産システムに統合
トヨタ自動車株式会社工場IoT3D CADデータなど既存のデジタル化データを一元管理
三和工機株式会社社内人材育成による設計力強化自社内の人材育成による設計力強化
株式会社アイデンIWS回路図面と配線の図面のデータを融合して配線図データを作成するシステム
株式会社IHI社内人材のデジタル人材としての育成プロセスごとの連携が行えるように改革
株式会社ダイセルダイセル式生産革新推進される生産革新の手法
三菱電機株式会社e-F@ctory生産情報とITを連携させる仕組み
ヤマハ発動機株式会社経営目線のデジタル改革実行経営目線で「既存のビジネスの効率化」「未来のビジネスの創出」
ビジネスエンジニアリング株式会社現場データの経営指標化デジタル技術を活用したビジネスモデル変革
川崎重工業株式会社PLCの社内PaaS化PLMに関する全社サービスプラットフォーム
オムロン株式会社i-BELT「生産管理」「品質管理」「設備効率」「エネルギー」の4つの切り口における現場データ活用サービス
ダイキン工業株式会社工場IoTプラットフォームリアルタイムでデータ授受

具体的なDX取組事例については「経済産業省|製造業DX取組事例集」で確認できます。

まとめ:工場のIoT実現に向けて

工場のIoT実現に向けて

今回の記事では、工場のIoT化に向けて、参考となる事例をいくつか紹介しました。

事例をもとに自社工場でもIoT化導入を検討してみてください。

しかし、IoT化だけで業務の効率化が達成できるかというと疑問は残ります。

なぜならIoT化の導入には作業員の理解が必須だからです。

作業員の理解も納得もなく、経営層の独断でIoT化を導入しても使い余すだけです。

であるならば、優先すべきことは作業員のモチベーションを高めることではないでしょうか。

現在の労働環境を見直してモチベーションを工場させれば、IoT化の導入・活用までがスムーズになります。

ぜひIoTの導入と合わせて、環境改善も見直してみてください。

DX・デジタル化に関するご相談はこちらまで
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