介護業界における生産性向上とは?改善すべきポイントについて解説

介護業界における生産性向上とは?改善すべきポイントについて解説

日本では少子高齢化が進み、あらゆる影響が起こる「2025年問題」も差し控えています。

そんな日本において、介護現場での生産性向上が急務とされています。

介護現場での生産性を高めることで、サービスの質向上や業務改善にも効果が見込めるでしょう。

そこで本記事では、介護業界における生産性の向上について解説します。

きたる「2025年問題」に備えるためにも、ぜひ参考にしてください。

介護業界における生産性向上とは?改善すべきポイントについて解説
目次

介護業界における“生産性向上”とは?

介護業界における生産性は、サービスの質の向上につながります。

生産性を高め、サービスの質を向上させるためには、まず業務の改善が必要です。

たとえば、業務の標準化を浸透・統一させるためにマニュアルを作成したり、ツールなどを駆使して情報の共有するなど、それぞれの現場に合わせて必要な取り組みを行いましょう。

新たな取り組みを行う際には、一連のサイクルを習慣化させていくことが大切です。

行っていく中で見つけた課題に対して、どのように対応していくのか、トライ&エラーを繰り返していくことで、業務の改善・生産性向上を見込めるでしょう。

介護現場で生産性向上するには、無駄な間接業務を減らしながら、利用者と接する時間を増やす必要があるのです。

介護現場の生産性を向上するための改善方法

生産性を向上を目指して介護現場で取り組むべきことは主に以下の通りです。

  • 3Mをなくして5Sを徹底する
  • 社内業務の分類・見える化
  • 作業フローの見直し・手順書の作成
  • 情報共有の徹底

それぞれの取り組みについて解説しましょう。

3Mをなくして5Sを徹底する

まずは大前提に、現場における3Mをなくすことが重要です。

介護業務での3Mとは、過度に負担がかかっている状態「ムリ」、行わなくても良い不要な仕事「ムダ」、バラついた状態「ムラ」をなくすことを目指す活動を指します。

3Mをなくすには、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5S活動が効果的です。

整理というのは必要なもの・必要でないものをはっきり区別し、不要なものを捨てます。

そして、整頓では、探す手間を省く「手元化」を徹底し、物に住所を決めておきましょう。

他にも、利用者の動線は転倒防止のためにも清掃を徹底したり、清潔を保つように心掛けます。

それぞれの項目についてチェックリストを活用し、決められたことを正しく行える習慣作りを徹底するようにしましょう。

社内業務の分類・見える化

介護現場における業務を効率化させるには、まず業務の分担を見直し、見える化するところから始めましょう。

現状の介護現場の課題として、人手不足から一人ひとりの業務負担が多いことが挙げられます。

介護職員のほか、他職種の職員などにも業務を共有・移管することを検討・相談しながら、一人の人に業務が偏ることがないようにしましょう。

たとえば、介護職員が行う業務のうち、清掃や洗濯などといったことは、専門業者へアウトソーシングするのも一つの手段です。

多職種が連携することで、サービスの質向上にもつながっていきます。

業務を分担するには、介護職員が行っている業務をまずは見える化する作業が必要です。

作業フローの見直し・手順書の作成

介護職員ごとに業務の進め方が異なると、とても非効率です。

サービスの質にムラが生じるほか、他職員とのトラブルにも発展しかねません。

誰がみても分かるように、写真やイラストを用いたマニュアルを作成し活用すれば、サービスを均質化でき、生産性を底上げすることにも繋がります。

業務の事項をマニュアルによって標準化すれば、介護職員間で無駄や漏れなく情報を共有できるようになり、結果的にコミュニケーションコスト削減の効果も期待できるでしょう。

情報共有の徹底

介護職員の間で、情報共有を効率化させるために、インカムやスマートフォンなどICT機器の活用も検討しましょう。

特にインカムの場合、タイムリーに情報共有ができるため、迅速な対応に役立ちます。

しかし、インカムに関してはしっかりとマニュアルを作成しておくのがおすすめです。

なぜなら、実際にインカム導入で飛び交う情報が多すぎてケアに集中できないといった問題を抱えた施設もありました。

効率化のためには、インカムで伝える内容と順番をルール化しておくことが重要です。

このように、適切にツールを活用しながら迅速に情報共有できる環境を作るのは、介護現場における生産性向上を見込めるでしょう。

介護現場の生産性向上するための業務改善手順

介護現場の生産性向上には、以下の手順で業務を改善してみましょう。

  • 改善するための準備をする
  • 現場の課題を明確化する
  • 改善活動に取り組む
  • 活動を振り返る
  • 実行計画を分析し、修正する

それぞれの手順に沿って解説します。

1.改善するための準備をする

業務改善を図るために、業務改善プロジェクトのメンバーを立ち上げましょう。

経営層から施設全体に取り組み開始のキックオフ宣言をすることで、現場での士気が高まります。

また、介護職員が「外部の研修会」などに参加するのもいいでしょう。

2.現場の課題を明確化する

生産性向上を図るには、現場の課題を明確化するのが必須項目です。

ささいなことでもいいので、気付いたことについて述べる・記述できる環境を作ります。

たとえば、アンケート形式にして提出してもらうのもいいでしょう。

さらに、それぞれの工程にどのくらいの時間を要するのかなど、業務を分析・把握することも大事です。

3.改善活動に取り組む

まずは、現時点で見えている課題を意識しながら、改善活動をしましょう。

試行錯誤を繰り返しながら、新たな課題に対しても分析していきます。

そこで、小さな改善事例を作り出していきましょう。

4.活動を振り返る

改善活動を取り組んだうえで、共有した進捗情報をもとに上手くいった点、改善が必要な点などを洗い出していきましょう。

その際は、成果指標や観察のポイントを確認しながら、活動を振り返ます。

5.実行計画を分析し、修正する

4で洗い出した情報をもとに、実行計画をさらに分析し、修正を行います。

他の取り組みも含め、現場全体で計画を見直しましょう。

そこまで出来たら、また実行に移ります。

こうして、トライ&エラーを繰り返すことで、介護業界における生産性向上につながるのです。

以下の記事でも介護現場の業務改善のポイントと手順について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

介護業界における生産性向上には業務改善が急務

介護現場の生産性を向上するためには、業務改善から取り組むようにしましょう。

その際は、現場の声を聞くことも大切です。

介護職員の意見をきかずに作業内容を変えたり、突然ICTなどのツールを導入したりすると、現場によっては混乱を招きかねません。

結果、取り組みが継続できずに頓挫してしまう恐れもあるのです。

生産性向上を図るには、現場の職員も交えて、施設や事業所全体で取り組むようにしましょう。

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