建設業で人材確保をする方法|人材育成が重要な理由も解説

建設業界では、人材確保が困難になりつつあるのが現状です。

他の業種と異なって女性の雇用が難しい業界なので、採用のハードルが年々上がっています。

本記事では、建設業界での人材確保をする方法と人材育成が重要な理由を中心に解説していきます。

人材確保が困難な企業は、最後まで読み進めてみてください。

建設業で人材確保をする方法|人材育成が重要な理由も解説
目次

建設業界の現状は人手不足が深刻化

建設業界の現状は、人手不足が深刻化しています。

  • 少子高齢化が加速
  • 建設業の有効求人倍率は5.25倍

上記の項目を解説することで、建設業界の人手不足の現状を把握できるでしょう。

少子高齢化が加速

建設業界は現在、人材確保の重要な局面に直面しています。

少子高齢化による労働者の減少が大きな要因です。

厚生労働省の「我が国の人口について」の統計によると、2020年時点での日本の人口に対する65歳以上の高齢者の割合は28.6%でした。

2070年には65歳以上の高齢者の割合は38.7%に達すると予測されています。

日本の人口構成が変わる中で、建設業への若手の参入が減少していることが、この問題を一層加速しています。

(参照:厚生労働省「我が国の人口について」

2023年9月時点で建設業の有効求人倍率は5.39倍

厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況(令和5年9月分)について」によると、建設業の有効求人倍率は5.39倍でした。

この高い数値データは、建設業界の深刻な人手不足を可視化しています。

このような人手不足の状況下で、建設業界では人材確保のためにさまざまな対策に迫られています。

(参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年9月分)について」

建設業界が人手不足に陥った原因

建設業界が人手不足に陥った原因は、以下の通りです。

  • 職人の高齢化が進んでいる
  • 若手の確保ができない
  • 離職率が高い
  • 長時間労働が蔓延している
  • 仕事に体力が必要になる

それぞれの原因について、詳しく解説していきます。

職人の高齢化が進んでいる

建設業界では、現場で活躍する職人の高齢化が進んでおり、これが人手不足の一因となっています。

経験を積んだ熟練の職人が退職を迎える一方で、後継者の確保が進んでいないのが現状です。

このため、建設業界では若手の職人を育成することが急務となっています。

技術の継承ができないと、建物の修繕や公共事業に深刻な影響が出るためです。

今後、経験を積んだ職人の退職が増加するなかでいかに技術を継承できるかが大きな課題になっています。

若手の人材確保ができない

建設業界では、若手の人材確保が難しいという問題もあります。

若い世代が建設業の仕事に対して魅力を感じにくい、または十分な情報が提供されていないことが原因です。

若い世代は、ITや商社などの体力を使わない仕事を選びやすい傾向があるのも問題になっています。

年々少なくなっている若手の人材確保は、建設業界全体にとって重要な問題です。

離職率が高い

建設業界の離職率の高さも、人材確保の難しさを引き起こす要因の一つです。

体力を要する仕事内容や温暖化で過酷になる労働環境が、離職を促しています。

熟練の職人が定年を迎えて退職する中、現役世代の離職率も高くなることで建設業界全体での人手不足につながっています。

長時間労働が蔓延している

建設業界では、長期間にわたって長時間労働が問題になっています。

長時間労働は、従業員の健康を損なうだけでなく、仕事と私生活のバランスを崩す原因となるためです。

建設業界では、工期を最優先とする考えが一般化しているので、残業や休日出勤を余儀なくされる場合が度々あります。

この問題に取り組むためには、業務効率の改善や、労働時間管理の徹底が必要です。

仕事に体力が必要になる

建設業の仕事は体力を要求されることが多く、これが若手や女性の参入障壁になっています。

ITが普及した現代では、体力を使わない業界が就職先として人気になっているためです。

また、女性にとって男性と同じ重量の資材の運搬は難しく、従事できる人材が限定的になってしまうことも問題です。

建設業界では、いかに機械や設備に投資して年齢や性別を問わずに働きやすい環境を作れるかが問われています。

建設業界が人材を確保するための対策

建設業界が人材確保をするためには、以下のような対策が必要です。

  • 労働環境の見直し
  • 給与体系の見直し
  • 若手の採用と育成
  • 資格取得の推奨
  • ソーシャルメディアでの求人や情報発信

それぞれの対策について、詳しく解説していきます。

労働環境の見直し

建設業界が人材確保するためには、労働環境の見直しが必要です。

長時間労働や厳しい現場条件が、若年層の離職率を高める要因になっているためです。

労働環境の改善として、以下のような項目に着目してみてください。

  • 作業効率の向上
  • 安全管理の徹底
  • 休憩時間や労働時間の適正化
  • 適切な工期設定

労働環境を見直す際は、従業員の意見を積極的に取り入れ、快適で働きやすい環境を作ることが大切です。

労働環境を見直すことで、従業員の満足度を高めるとともに、新たな人材確保のきっかけになります。

給与体系の見直し

建設業界が人材を確保するためには、給与体系の見直しも効果的です。

魅力のある給与水準は、求職者が応募を検討する際に重要な要素となるためです。

給与の見直しをする際は、以下の施策も取り入れてみましょう。

  • 業績に応じた賞与制度の導入
  • 技術に対するインセンティブの提供

基本給の見直しと上記の導入を実現できると、従業員のモチベーション向上につながります。

また、技能や経験に応じた公正な評価システムの確立も、従業員の育成と離職率低下につながります。

給与体系の見直しによって建設業界への関心を高め、長期的なキャリア形成を構築可能です。

若手の採用と育成

若手の採用と育成は、建設業界の持続的な人材確保に不可欠です。

若い世代への技術継承に必要な教育提供やインターンシップの導入は、建設業の魅力を伝えるために良い機会になります。

また、若手が就職した後のサポート体制も重要です。

若手が建設業界でのキャリアを積む中で、スキルアップや成長を実感できるような環境を整えることが、長期的な人材確保につながります。

資格取得の推奨

建設業界における資格取得の推奨は、人材のスキル向上と業務の効率化につながります。

具体的には、以下のような資格取得が推奨されています。

  • 建築士
  • 電気工事士
  • 土木施工管理技士
  • 消防設備士
  • コンクリート診断士

資格の取得は、従業員のスキルアップ面で重要です。

建設業界全体の専門性を高めることにもつながり、他社との差別化も可能になるでしょう。資格取得に向けた研修プログラムの提供や、試験費用の補助などを通じて従業員を支援してみてください。

また、資格を持つ従業員に対する報奨金や昇進機会の提供も、積極的に検討してみましょう。

ソーシャルメディアでの求人や情報発信

ソーシャルメディアを活用した求人や情報発信は、若年層に対するアプローチに有効です。

SNSを通じて建設業界の日常やプロジェクトの進行状況を共有することで、業界の魅力や仕事のやりがいを周知できるためです。

また、ソーシャルメディアを利用したキャリア相談やオンラインイベントの開催も、若手とのコミュニケーションを深めるために有効でしょう。

ソーシャルメディアの活用は、建設業界への新たな人材流入を見込める効果的な対策方法です。

建設業界で人材確保をするための国土交通省の対策

建設業界の人材確保問題を解消するために、国土交通省は厚生労働省と連携して以下の項目ごとの予算を設けました。

  • 人材確保
  • 人材育成
  • 魅力ある職場づくりの推進

それぞれの2024年度の予算額と、具体的な内容について解説していきます。

人材確保

人材確保では、以下のような予算配分をしています。

  • 働き方改革等による建設業の魅力向上:2.9億円
  • 建設事業主等に対する助成金による支援:72億円
  • 「つなぐ」化事業の実施:28百万円
  • ハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援:48億円
  • 高校生に対する地元における職業の理解の促進支援:19百万円

2024年からは、建設業でも罰則付き時間外労働上限規制が適用されます。

そのため、従来の工期設定では対応できない業務が出てくるので、早急な働き方の見直しが必要です。

そして、ハローワークでのマッチングや高校生に対する職業理解を深めることで、長期的な人材確保を見込んでいます。

人材育成

人材育成では、以下のような予算配分をしています。

  • 働き方改革等による建設業の魅力向上(再掲):2.9億円
  • 大工技能者等の担い手確保・育成支援:424億円の内数
  • 中小建設事業主等への支援:4.8億円
  • 建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練)の実施:1.3億円
  • ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導:23億円
  • 建設事業主等に対する助成金による支援(再掲):72億円

人材育成分野では、建設業界で必要とされる技能や知識の習得を支援するためのプログラムの提供や実技指導を計画しています。

上記のような取り組みにより、若手労働者が業務に必要なスキルを身につけ、建設業界で長く働ける環境が整うと期待されています。

また、既存の従業員のスキルアップも重要です。

継続的な教育プログラムやキャリア開発支援を通じて、従業員が自身のキャリアを伸ばし、専門性を深めることが重要です。

人材育成を行うことで、建設業界の全体的な技術レベルの向上と、労働者の職業的満足度の向上が見込めます。

魅力ある職場づくりの推進

魅力ある職場づくりの推進では、以下のような予算配分をしています。

  • 働き方改革等による建設業の魅力向上(再掲):2.9億円
  • 働き方改革推進支援助成金による支援:71億円
  • 働き方改革推進支援センターによる支援:31億円
  • 雇用管理責任者等に対する研修の実施:82百万円
  • 「つなぐ」化事業の実施(再掲):28百万円
  • 建設業の一人親方等の安全衛生対策支援事業:1.1億円
  • 中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業の実施:96百万円
  • 労災保険特別加入制度の周知広報等事業の実施:30百万円
  • 墜落・転落災害等防止対策推進事業:87百万円
  • 建設事業主等に対する助成金による支援(再掲):72億円

国土交通省は、上記のような予算を編成し、建設業界における労働条件の改善や職場環境の整備に取り組んでいます。

安全管理の強化や労働時間の適正化、健康管理のサポートなどを通じて、魅力のある職場づくりを進めていきましょう。

(参照:国土交通省「建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます

~国土交通省・厚生労働省の令和6年度概算要求の概要~

」)

建設業の人材確保にはDXの導入も有効

建設業が人材確保するためにはDXの導入も効果的です。

建設業界のDX導入の現状と、実際の導入事例を紹介していきます。

DX導入の現状

建設業界では、人材確保のためにDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が推進されています。

DXによる業務の効率化や品質の向上は、建設業界における魅力的な働き方の提供につながるためです。

BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)の利用や専用システムによる労務管理、ドローンを用いた測量など、多岐にわたる業務がDX化の対象です。

デジタル技術の導入により、時間を要する作業や体力的な負担が大きい作業が効率化され、より多くの人材が建設業に興味を持つきっかけが持てます。

建設業のDX導入事例

建設業界でのDX導入事例としては、以下の例を紹介します。

  • BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)
  • ドローン
  • 専用システム

BIMは、建築物の情報をデジタル化し、設計から施工、管理に至るプロセスを一元的に管理する技術です。

BIMを導入することで、設計変更への迅速な対応や、施工の精度向上が可能です。

また、BIMを活用することで、コミュニケーションの効率化や人的ミスの削減が期待できます。

さらに、ドローンを用いた測量や、専用システムによる労務管理の導入も重要です。

ドローンを活用することで、広範囲の測量が短時間で行えるようになり、作業の効率化と安全性の向上が図られます。

専用システムを用いた労務管理では、作業員の健康管理や安全確保に役立つデータの収集や分析が可能となります。

デジタル技術の発展に伴い、今後も建設業界でのDX導入はさらに進んでいくでしょう。

従業員が働きやすい環境が重要になる

建設業界では、少子高齢化に伴う人手不足が加速しています。

人材を確保していくためには、ソーシャルメディアを用いた若手への情報発信や採用を取り入れたり、労働環境を見直したりする必要があります。

同時に、業務を効率化して人材を最適化するためには、DX化の推進も欠かせません。

従業員が働きやすく、モチベーションを維持しやすい環境を構築して、中長期的に人材確保ができる体制を整えましょう。

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